本日(7月28日)の日本株式市場は、日経平均が375円安と大幅に下落し、投資家心理に冷や水を浴びせる展開となりました。特に注目されたのは、半導体関連銘柄の急落。生成AIブームの恩恵を受けてきたこのセクターが、今まさに「踊り場」に差し掛かっているのか、それとも次の成長フェーズへの準備段階なのか──市場の見方は分かれています。
SCREENホールディングス(7735):決算発表が株価に与えた影響
SCREENホールディングス(7735)は、前週末に発表した2026年3月期第1四半期決算が市場予想を下回ったことで、本日株価が9%以上の急落。営業利益は前年同期比12.2%減の243億円と、固定費の増加が重荷となったことが嫌気されました。
- 台湾向けの需要は堅調だったものの、中国・米国向けが減少
- グラフィックアーツ機器など他事業の貢献で売上は微増
- 通期見通しは据え置きだが、減益着地が投資家心理を冷やした
この決算を受けて、半導体製造装置関連全体に売りが波及し、セクター全体の重しとなりました。
アドバンテスト(6857):なぜ株価が急落したのか?
アドバンテスト(6857)は、前日比で約9%の急落。その背景には、欧州系証券による投資判断の引き下げがありました。
- 投資判断が「中立」から「売り」に変更
- 主力のSoCテスタ需要が4-6月期をピークに減少するとの見方
- PERが50倍近くに達していたことから、過熱感が意識され利益確定売りが加速
さらに、SCREENの決算ショックが連鎖的に影響し、半導体関連株全体が軟調に推移。日経平均への寄与度が高いアドバンテストの下落は、指数全体の押し下げ要因にもなりました。
今週の経済指標と株価への影響予測
今週は、国内外で重要な経済イベントが目白押しです:
- 7月30日:米FOMC結果発表&パウエル議長会見
- 7月31日:日銀金融政策決定会合&植田総裁会見
- 8月1日:米雇用統計、日本の失業率・有効求人倍率
これらの指標は、金利政策や景気の方向性を占う上で極めて重要。
特に米PCEや雇用統計の結果次第では、米国長期金利の動向が変化し、為替・株式市場に波及する可能性があります。
市場では「高PER銘柄への警戒感」が強まっており、今週の指標次第ではさらなる調整局面に入る可能性も。逆に、インフレ鈍化や雇用の安定が確認されれば、リスクオンの流れが再び強まる展開も期待されます。
7月28日株式市場まとめ
- 日本株は全体的に軟調、半導体株は明暗分かれる展開
- SCREENは減益決算で急落、アドバンテストは投資判断引き下げで連鎖安
- 今週の経済指標が市場の方向性を左右する重要なカギに
生成AIやIoT、自動運転などの成長テーマと密接に結びつく半導体セクター。短期的な調整は避けられないものの、中長期的には依然として有望な投資対象であることに変わりはありません。
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